屈指の透明度を誇る石垣島の海ですが、豊かなサンゴが広がる絶景は日本一と言っても過言ではないほど。
そんな石垣島で一番サンゴが綺麗なポイントを体験ダイビング&シュノーケリングの目線で紹介しています。
このコラムでは・・・
- ツアーで石垣島の海を120%満喫したい!
- とにかく綺麗なサンゴの景色を見たい!
- 初めてで体験ダイビング&シュノーケリングを楽しめるか不安
そんな方に必見の内容盛り沢山となっておりますので、ぜひご覧ください。
「マリンサービスサンフィッシュ石垣島」を運営する私「浜 佑介」は、石垣島歴16年のダイビングインストラクターです。
ダイビング、シュノーケリングの知識だけでなく、石垣島や沖縄の様々な情報に精通しています。

- 年間300日以上石垣島の海を案内しています
- 石垣島ガイド歴16年 PADI インストラクター
- 初心者のガイド累計10000人以上!
- 石垣島初の初心者専門マリンサービス経営
石垣島の海の特徴
実は日本一サンゴの種類が多い石垣島

南国の海と言えばどのような景色を想像しますか?
カラフルなサンゴとそこに棲む色とりどりの熱帯魚…そして見渡す限りの青い海…。
世界には約800種類のサンゴがあると言われていますが、実は石垣島だけで約360種のサンゴを見ることができます。
石西礁湖と呼ばれる日本最大のサンゴの楽園は国立公園にも認定されています。
サンゴの種類、サンゴの密度、サンゴがあるポイント、どれをとってもこんなに豊かな海は他にないのではないでしょうか。
おすすめの楽しみ方はツアー参加

石垣島はサンゴにぐるりと囲われるような地形が特徴ですが、その中でも特に綺麗で豊かなサンゴのポイントがあります。
その絶景を見るなら断然ツアーに参加するのがおすすめ。
石垣島はポイントにより季節や時間帯、潮の干満により海の様子がころころと変わる島でもあります。
そのため自分たちの判断だけで行くのは石垣島の景色を120%楽しめないことも。
せっかく見るのなら石垣島の海を知り尽くしたプロに任せて連れて行ってもらうと満喫できること間違いなし
景色別に体験ダイビング&シュノーケリングポイント紹介
サンゴを見て楽しむなら体験ダイビングやシュノーケリングがおすすめ。
体験ダイビングでは海の中に長時間潜れますので間近でサンゴの様子を観察することができます。
シュノーケリングでは小さなお子様と身軽に水面で楽しむことができますので、その点も踏まえておすすめポイントを紹介していきます。
初めての石垣島の家族旅行を大成功させる秘訣!
このページは初めての石垣島の旅行、家族で楽しむプランを立てたい!という方向けのコラムです。
初めての石垣島旅行でどのようなコースを回ったらいいのか分からない…と…..
サンゴの種類と景色をポイントごとに徹底解説
名蔵エリア:サンゴもりもりポイント

名前の通りとにかく元気でカラフルなサンゴがもりもりと生い茂るのがこのエリア。
水深は平均して5m程と浅く、白い砂地にいくつものサンゴがお城のようにそびえ立つ景色です。
このエリアは名蔵湾内になりますので雨水や地下水などが海に流れ込み濁りやすいですが、観光で来られた方はあまり気にならない程度だと思います。
サンゴからの距離も近く、シュノーケリングでも十分にサンゴはよく見えます。

枝サンゴは非常に折れやすいので、フィンが当たらないように
体験ダイビングでは気を付けたいところ。
泳ぎ回るより、じっくりとサンゴを観察するのがこのポイントでの楽しみ方。
とにかくカラフルなサンゴを見たい方におすすめのポイントです。
サンゴの写真を撮るだけでも映えること間違いなしです。
名蔵エリア:マルちゃん


魚が棲む大きな根がどんとそびえ立つその周りに枝サンゴが群生しているポイントで、特に青い枝サンゴが綺麗なエリアです。
サンゴの中でもひときわ目立つのが青いサンゴ。まだその色は研究者の間でもはっきりと解明されていないと言われている不思議なサンゴです。
そしてこのポイントはなんと言っても水底が見えないほど敷き詰められたサンゴがぎっしり。
シュノーケリングではまるでサンゴの上を飛んでいるような気持ちの良い体験ができます。
体験ダイビングでは着底することができないため、インストラクターの補助を添えて案内することが多いです。
平均して3~6mほどの水深になりますのでのんびりと泳ぐことができます。
大崎エリア:ハナゴイリーフ


大崎エリアは海初心者の方からベテランダイバーまで幅広く利用されるエリアです。
その中でもハナゴイリーフのユビエダハマサンゴの群生は様々なドラマが生まれる場所。
一見白っぽい地味な見た目のユビエダハマサンゴですが、そこにはたくさんの生き物が棲み付く絶好の場所。
綺麗なサンゴの景色プラス色んな生き物を見てみたい方必見のポイントです。
水深はサンゴの上で2m程、一番下で5m程となりますのでシュノーケル、体験ダイビングどちらも楽しむことができます。(季節によりローカルルールがあります。)
サンゴも見たいけどたくさん生き物を見たい、お子様も一緒にという方におすすめのポイントです。
崎枝エリア:ビッグアーチ


主にテーブルサンゴと呼ばれる平たく成長するサンゴがぎっしりと敷き詰められたポイントです。
色は緑色や褐色と言った、カラフルではない種類のサンゴが多いですが、色が濃ければ濃いほど元気な証拠で圧倒的なパワーを貰える場所ではないでしょうか。
このエリアはダイナミックな地形に飛んでおり、ワイドな水中世界を見たい方、どこまでも透き通る青い海を見たい方におすすめです。
浅い場所で水深1mない場所もあり、間近でサンゴを観察することもできます。
深い場所では10m以上あるため体験ダイビングではやや難易度が上がります。
たくさん泳ぎたい、素潜りにもチャレンジしてみたい方におすすめのポイントです。
桜口エリア:桜口インリーフ


大きなコブハマサンゴやユビエダハマサンゴが一面に広がり、レアな魚も見ることができちゃうのがこのエリアの特徴です。
水深は深くて5m程になり、サンゴの上は触ることができそうな程近くで見ることができるポイントです。
コブハマサンゴという大きなメロンパンのようなサンゴがたくさん集まっており、その大きさに圧倒されることは間違いなし。
シュノーケリングでユビエダハマサンゴの上を優雅に泳ぐのも良し、体験ダイビングで色んな生き物を近くで観察するのも良しとどちらも楽しめちゃうポイントです。
サンゴや魚とも近くで写真を撮れるので泳ぎに不安がある方でもたくさん海での思い出を残すことができます。
季節ごとにおすすめのポイント
石垣島にはたくさんのダイビング・シュノーケリングポイントがあり、季節により見られる景色や生き物が異なります。
そのポイントのベストなシーズンを石垣島のプロのガイドが紹介していきます。
春は大迫力のあの子とサンゴ(大崎エリア:ハナゴイリーフ)


春といったらこの場所でこの生き物、コブシメのシーズン。
初めて見た方はこんなに大きなイカがいるの!?という驚きを隠せないほどインパクトのある生き物でまるで宇宙船のような見た目。
早くて1月からピークは3月~4月にこの場所で産卵を見ることができます。
このポイントではコブシメにストレスを与えないために上からのアプローチがローカルルールで禁止となります。
そのためシュノーケリングをこの時期のみ周辺で行うことはできません。
おすすめはダイビングでルールを守りながらじっくりと観察すること。
一度見たら虜になること間違いなしです。
夏は太陽を浴びた圧巻の景色を(崎枝エリア:ビッグアーチ)


生き生きとしたサンゴを夏に見るならここで決まり。
夏は海況が安定している日が多く、このポイントを案内できる確率が一番高いです。
平均して透明度が良く、潮位によっては水深1mほどの距離で夏の日差しを浴びたサンゴを観察できちゃいます。
水着で気持ちよく泳げるのもこのシーズン。
写真映えを狙うならビッグアーチを夏に満喫するのがおすすめです。
冬でも見どころ満載の石垣島(桜口エリア:桜口インリーフ)


実は石垣島の冬、悩まされるのが強い北よりの風。
こうなると上記で紹介したエリアに船で行くことができなくなることが多いです。
そんなとき穏やかに綺麗な景色を見られるのが島の南側に位置する桜口エリア。
大物を狙える確率はインリーフ(リーフの内側の浅い場所)のため下がりますが、なんとレアな生き物との出会いはかなり多いのです。
生き物好きにはたまらない、レアな子に出会ってハマってしまう方も続出のポイントです。
また、荒れがちな冬の海の石垣島ですが船酔いの心配もご無用。桜口インリーフまではなんと5分で行けてしまいます。
そんなアクセスの良さも冬場に人気の理由です。
カーチバイ(季節風)の突風にも負けない場所(三石ポイント)


梅雨明けの石垣島は夏本場、とその前に…カーチバイという西~南西寄りの突風が吹き荒れる期間があります。
そうなるとメインとなる島の西、南西側に位置するエリアで遊ぶのはかなり厳しい状況に。
そんなときにも石垣島にはサンゴの景色を堪能できるポイントがあるのです。
三石ポイントはその名の通りぽつんぽつんと大きな岩が水面から突き出しており、その周辺は石西礁湖という日本最大級のサンゴ礁がこの風をある程度抑えてくれているのです。
そんな海で遊ぶのに悩まされる時期も石垣島では綺麗なサンゴの景色を見ることができるおすすめのポイントがあるのです。
石垣島の豊かなサンゴについて
綺麗な景色を生み出すサンゴですが海で遊ぶ前にちょこっと知っておくと、さらに石垣島の海が楽しめるかも。
サンゴについて分かりやすく解説していきます。
実は生き物
一見動かないサンゴですが分類は植物ではなく、動物なのです。
私たちが海で見ることができるサンゴですが様々な形、色、サイズ、柔らかい種類まで色んな種類があります。
近くで見てわかりやすいのがこのサンゴ。


よく見るとサンゴから細長いものが出ていますね。
これはポリプと呼ばれる構造の一部で、このポリプが集まってできているのがサンゴなのです。
この集まり方によって見た目が異なってくるため様々な種類のサンゴが存在します。
ちなみにこの細長いものはポリプの触手、人間でいうと手のような役割があります。
海中のプランクトンをこの触手でキャッチして食べるのです。
そう聞くと私たちと変わりない動物の仲間なのだなということが分かるかと思います。
サンゴの増え方


種類にもよりますが、上記のサンゴは卵を産んで増えていく生き物です。
この姿から卵を産むなんて衝撃的ですが、このポリプからポンと精子と卵子が入ったカプセルが放たれ、水面で弾けて受精します。
時期は5月、条件が整った夜に一斉に産卵するのですがその景色は幻想的で圧巻です。
サンゴの寿命


サンゴは環境が整ってさえいれば何百年も何千年も生きると言われています。
ストレスに強いコブハマサンゴは大きなもので1000歳を超えることも。
何千年の歴史を一目で見られるのはサンゴならではでしょうか。
大きな杉の木や歴史的な建造物のように、海にもロマン溢れる景色がサンゴには詰まっています。
サンゴと生き物


サンゴと密接な関係にあるのがそこに棲んだり利用したりする生き物たち。
綺麗なサンゴの景色の中に潜む生き物たちのこともぜひ見つけてみてください。
サンゴはワイドな景色もマクロな生き物も両方楽しませてくれます♪
スズメダイ系


サンゴと密接な関係があるのがこのスズメダイ系の魚たち。
スズメダイ系の魚は小さく、大きな捕食する魚から逃れるためにサンゴの隙間に潜り込んで身を守ります。
優しく見守っているとまるで花吹雪のようにサンゴから溢れ出る景色は見ていて飽きることはありません。
見つけたらいきなり近付かずに少しずつアプローチすることが仲良くなるコツです。
テングカワハギ


まるで子供がデザインしたようなカラフルポップなデザインの魚。
このテングカワハギはサンゴがないと生きていけません。
なぜならこの細長い口でサンゴのポリプを食べて生きているからです。
この魚はペアといって、カップルで仲良く泳いでいることが多いです。
ダイバーからも人気の魚でこの可愛らしい見た目で虜になること間違いなし。
コブシメ


コブシメとは甲イカという種類では最大級の大きさのイカです。
普段はサンゴの近くに棲んでいる…というわけではなく、産卵シーズンの春になるとサンゴの周りに集まってくるイカです。
器用なことに産んだ卵をサンゴの間に手を差し込み、1つ1つ産み付けていくのです。
春ごろに産み付けられた卵は約70日間ほどでハッチアウト(卵から生まれる)します。
サンゴの隙間に産み付けられた卵を見ることができるのはもちろん、生まれそうな赤ちゃんイカの目玉が見える卵を運が良ければ見られることも。
サンゴはそんな生き物の貴重な産卵場所にもなっているのです。
石垣島のサンゴの現状
石垣島では過去にサンゴの白化現象やオニヒトデの被害など、幾度となくサンゴが追いやられる危機に瀕してきました。
ですがそのたびに復活してきた石垣島のサンゴの現状をお伝えします。
現在のサンゴの様子


2022年現在では上記で紹介したポイントのサンゴは海水温が上昇しすぎて白んでしまったり(元気がない状態)、ゴミの巻付きによる白化現象は一部で見られますが全体を通して元気なサンゴの景色を見ることができます。
実はありがたい台風


海水温の上昇によるサンゴへのダメージは、実は台風が来ることによってかなり解消されることもあります。(サンゴにとって高すぎる水温はストレスの原因に)
台風は海水をかき混ぜてくれる役割があるため、上がりすぎた海水温を冷ましてくれる役割があります。
せっかくの石垣島旅行で台風がきては台無し…とても残念な気持ちは分かります。
ですがサンゴにとって大喜びのイベントと思うとなんだかありがたい面が見えてくることも。
そんな役割が台風にもあるのです。
遊ぶ時のマナーについて


海の中で遊んでいるときに浅い場所で立ち上がるその行為、ちょっと待って、もしかしたらサンゴを踏んでいるかも。
サンゴはダメージを受けるとストレスに弱く案外簡単に弱ってしまうものです。
また、折れて海底に落ちている綺麗なサンゴを拾いたくなってしまう気持ちは十分に分かりますが、実は持ち帰りは禁止されています。
思い出は写真を撮るのに留めて、石垣島の綺麗な景色を守って貰えるとサンゴもきっと喜ぶはずです。
まとめ


石垣島の一番綺麗なサンゴが見られるポイントをご紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか。
どのポイントもそれぞれの魅力が詰まっており、1度行っただけでは足りないくらい楽しめるのが石垣島の海なのではないでしょうか。
お気に入りのサンゴの景色がありましたら、ぜひ旅行シーズンの検討材料にしてみてください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。