旅行でダイビングを楽しんだ後、そのまま飛行機に乗ることは、実はとても危険な病気になるリスクがあります。
ダイビング後に飛行機に乗る場合、減圧症という症状が出るリスクが高まるため、注意が必要です。
このコラムでは、その理由やリスクを詳しく解説し、安全な旅行を楽しむためのポイントを紹介します。

ダイビングをした直後の飛行機搭乗ってなにが危ないの?



体験ダイビングをするだけでも飛行機に乗ってはいけないの?
など、旅行でダイビングをした際に起こる、飛行機搭乗についての疑問にお答えしていきます。
この記事では、
- ダイビング直後の飛行機搭乗は絶対にNG
- 飛行機搭乗までどれくらいの時間を空ければ良いの?
- 甘く見ないで!減圧症について
- 飛行機内での気圧変化に注意する
- ダイビング旅行の計画について
- ダイビング後の飛行機搭乗についてのFAQ
を解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
「マリンサービスサンフィッシュ石垣島」を運営する私「浜 佑介」は、石垣島歴16年のダイビングインストラクターです。
ダイビング、シュノーケリングの知識だけでなく、石垣島や沖縄の様々な情報に精通しています。


- 年間300日以上石垣島の海を案内しています
- 石垣島ガイド歴16年 PADI インストラクター
- 初心者のガイド累計10000人以上!
- 石垣島初の初心者専門マリンサービス経営
ダイビング直後の飛行機搭乗は絶対にNG


意外と知られていないのが「ダイビング直後の飛行機搭乗はNG!」ということです。
少しくらいは大丈夫なんじゃないの?という考えでは命に関わる危険性もあります!
どんなリスクがあるのかまず紹介します。
ダイビング後すぐに飛行機に乗るとどんなリスクがあるのか
ダイビング後すぐに飛行機に乗ると、減圧症という病気になるリスクがあります。
減圧症は、ダイビングで体内に吸収した窒素が、急激な減圧によって身体から放出されないまま残ってしまい、体内で泡をつくってしまう症状です。
この泡が血管や神経に詰まり、痛みや麻痺、意識障害、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。
減圧症は、深度や潜水時間、回数、ダイバーの健康状態、ダイビング後の待機時間など、様々な要因が関係しており、予測が難しい症状の一つです。
ダイビング後の飛行機搭乗は、飛行機内での気圧の変化が減圧症を引き起こす原因となるため、非常に危険です。
ダイビング後にすぐに飛行機に乗ると、窒素が体内から急激に放出されることで、減圧症が発症する可能性が高まります。
特に、深い場所でダイビングを行った場合や、潜水回数が多かった場合、待機時間をしっかりと確保しなければなりません。
シュノーケリングはOKなのに、なぜダイビングはダメなの?
シュノーケリングとダイビングは水中での滞在時間や深度、圧力の変化が異なります。
シュノーケリングは水面で浮きながら、自由に呼吸することができます。
一方でダイビングでは、呼吸器を使い、タンクから供給される空気を吸います。
タンクから供給される空気は、水面で吸う空気と違い、その深度に合わせた空気が提供されます。
そのため水面下では水圧に合わせた圧縮された空気を吸うことになるため、いわゆる「濃い空気」をダイビングでは吸うことになるからです。
そのため、水圧の影響により体内に溜まった窒素を徐々に放出しなければなりません。
その違いがシュノーケリングはOKでも、ダイビングがダメな理由なのです。
- ダイビング後すぐに飛行機に乗ると、減圧症という病気になるリスクがある。
- 減圧症は、体内の窒素が急激な減圧によって身体から放出されず、泡をつくってしまう症状。
- ダイビング後の飛行機搭乗は、飛行機内での気圧の変化が減圧症を引き起こす原因となるため、非常に危険。
- 水中での滞在時間や深度、圧力の変化が異なるため、シュノーケリングはOK。
- ダイビング後には、深度や潜水回数によって適切な待機時間を確保することが重要。
飛行機搭乗までどれくらいの時間を空ければ良いの?


そんな制限があるならダイビングを組み込んだ旅行プランは難しそう・・・と思わなくてOK!
これだけ分かれば、ダイビングのプランもばっちり立てられます。
自分の身体のためにも、ダイビングをする際は頭に入れておきましょう。
ダイビングの深さや回数に応じた待機時間の目安
ダイビング後すぐに飛行機に乗ると減圧症のリスクがあるため、ダイビング後には十分な待機時間を確保することが重要です。
待機時間は、ダイビングの深さや回数によって異なります。
PADIによると、シングルダイブ(単一のダイブ)をした場合、ダイビング終了後の待機時間は12時間以上が推奨されます。
また、連続ダイビングを行った場合は、最終ダイブの終了後に18時間以上待機する必要があります。
また、ダイブコンピューターを使用した場合は、ダイブコンピューターによって表示される待機時間を参考にすることが推奨されます。
しかし、これらの待機時間はあくまでも目安であり、個人差があります。
十分な待機時間を確保するためには、自分自身の身体の状態を把握し、慎重に行動する必要があります。
また、ダイビング後にはダイビングによって身体にかかる負荷を軽減するために、十分な休息と水分補給が必要です。
ダイビングを楽しむためにも、安全にダイビングを行い、十分な待機時間を確保してから飛行機に乗るようにしましょう。
体験ダイビングをした場合も同じなの?
体験ダイビングに参加した場合でも、ダイビング後すぐに飛行機に乗ることは危険です。
体験ダイビングでも、ダイバーが浸水している間には減圧症のリスクが存在します。
また、体験ダイビングでは、初めての経験や不慣れなダイバーの場合、深度に応じた適切な減圧の実行が困難であることがあります。
これらの要因が重なると、減圧症のリスクは高まります。
そのため、体験ダイビングを終えた後も、ダイビング後の飛行機搭乗には十分な待機時間を確保する必要があります。
PADIでは、体験ダイビング後の待機時間を潜った深度に応じて、最低12時間と定めています。
しかし、これは最低限の時間であり、より長い待機時間が推奨されます。
減圧症は深海潜水に関連していると思われがちですが、実際には体験ダイビングでも発生する可能性があります。
体験ダイビングを行う際には、ダイビングインストラクターの指示に従い、ダイビングのリスクを減らすために十分な準備をすることが重要です。
- ダイビング後は待機時間を確保しましょう。(単一ダイブで12時間、連続ダイブで18時間以上)
- 待機時間は深さや回数によって異なります。
- ダイブコンピューターの指示に従うのが一番理想。
- 体験ダイビング後も十分な待機時間が必要です。(体験ダイビング1回で12時間以上)
- ダイビングのリスクを減らすためには余裕を持ったプラン立てが必要。
甘く見ないで!減圧症について


ちょっと潜るだけなら大丈夫じゃないの?という考えは大変危険です。
減圧症を発症してしまった場合、速やかに医師に診てもらう必要があるため、対応が遅れると危険な状態になる可能性も。
人によって症状や重症度合いも様々な減圧症ですが、どんな病気なのか詳しく説明します。
減圧症とは何か、どのような症状が現れるのか
減圧症とは、ダイビング中に体内に溜まった窒素が、急激に圧力が低下することで、気泡となって血液中に発生する病気です。
症状としては、皮膚のかゆみや発疹、関節の痛みや腫れ、疲労感、呼吸困難、胸痛、意識障害などがあります。
ダイビングをすると、水深が深くなるにつれて圧力が増大しますが、徐々に水面に戻ることで圧力が下がっていきます。
しかし、急に水中から水面に出たり、飛行機などの高高度への移動で突然圧力が低下すると、体内に溜まった窒素が気泡となって発生し、減圧症を引き起こす恐れがあります。
減圧症を予防するためには、ダイビング後に必要な待機時間を守ることが重要です。
また、症状が現れた場合は、速やかに専門医に診てもらうことが必要です。
減圧症を防ぐためにはどうすればよいのか
減圧症を防ぐためには、以下のようなことが重要です。
ダイビング計画の立て方
十分な計画を立て、深さや浮上時間、合計ダイブ時間などを制限することが大切です。また、十分な余裕をもって水面に浮上して安全停止を行い、十分な時間をかけて浮上することが重要です。
健康状態のチェック
体調が優れない場合や疲れている場合はダイビングを控えることが重要です。また、特に喫煙者はリスクが高まるため、生活習慣を整え健康的な生活を送ることが大切です。
ダイビング器材の適切な使用
ダイビング器材の使用方法を正しく理解し、適切に使用することが大切です。特に、安全停止のためのブイや深度計などを正しく使用することが重要です。
ダイビング中の水分補給
ダイビング中は水分補給が不十分になりがちです。しかし、水分補給をしっかり行うことで体内の水分バランスを保つことができ、減圧症を防ぐことができます。
ダイビング後の待機時間
ダイビング後には、十分な待機時間を確保することが重要です。ダイブコンピュータを使用して待機時間を計算することが望ましいですが、ダイブコンピュータを持っていない場合は、PADIが推奨する待機時間の目安に従うことが大切です。
これらの対策を取ることで、減圧症の発症を防ぐことができます。
しかし、ダイビング中に減圧症の症状を感じた場合には、早期に医療機関を受診することが重要です。
- 減圧症になると命に関わる重篤な症状を引き起こす。
- ダイビングをする際、気を付ければ減圧症を防ぐことができる。
- 体調が優れないときはダイビングを控えるとリスクが軽減できる。
- ダイビング中はしっかりと水分補給をするのが大切。
- ダイビング後は飛行機搭乗まで十分な時間を空ける。
飛行機内での気圧変化に注意する


なぜダイビング直後に飛行機へ乗ると減圧症になってしまうのか詳しく解説します。
また、減圧症のリスクを極力減らせるように、快適なフライト方法もお伝えします。
飛行機内の気圧変化とは何か、ダイビングとの関連性はあるのか
飛行機内は地上よりも大気圏上層部に位置するため、大気の圧力が低くなっています。
飛行機はこの圧力の低下に合わせてキャビン内の気圧を調整していますが、それでも地上と比べると圧力が低くなっています。
これは、気圧が高い場所に長時間滞在することで生じる高山病と同じ原理です。
ダイビング中は、水深が深くなるにつれて水圧が高くなります。
ダイバーは、水圧が高い環境で呼吸するために潜水用の機材を装着します。
ダイビング後、急に高地に移動すると、ダイバーの体内の窒素や他の気体が急速に膨張する可能性があります。
これが、減圧症のリスクを高める原因の一つとなります。
同様に、飛行機内でも気圧の低下によって体内の気体が膨張する可能性があります。
このため、ダイビング後すぐに飛行機に乗ると、ダイバーの体内に残っている窒素や他の気体が膨張し、減圧症のリスクを高めることがあります。
したがって、ダイビング後には、飛行機に乗る前に十分な待機時間を確保する必要があります。
飛行機内での健康管理のポイント
飛行機内での健康管理のポイントとしては、まず十分な水分補給を心がけることが大切です。
飛行機内は空気が乾燥しているため、水分不足になり血行が悪くなりがちです。
また、長時間同じ姿勢でいることによる筋肉疲労や血流不良にならないよう、定期的にストレッチや軽い運動をすることがおすすめです。
また、ダイビング後に飛行機に乗る場合は、減圧症のリスクが高まるため、事前に適切な待機時間を守ることが必要です。
健康に配慮しつつ快適なフライトを過ごすために、上記のポイントを意識しましょう。
- ダイビング後に飛行機に乗る場合は、適切な待機時間を守り、減圧症のリスクを減らすこと。
- 定期的にストレッチや軽い運動をして筋肉疲労や血流不良を防ぐこと。
- 飛行機内は空気が乾燥しているため、水分不足にならないように注意すること。
- 健康に配慮しつつ快適なフライトを過ごすために、上記のポイントを意識すること。
ダイビング旅行の計画について


ダイビング旅行の計画を立てる際、分からないでやってしまうのが土地勘がなく移動にとんでもない時間がかかってしまった!なんてことも。
ダイビングスポットも入念に下調べした方が良い理由を解説していきます。
ダイビングスポットと移動時間の調整について
ダイビングスポットと移動時間の調整は、ダイビングプランを立てる上で非常に重要です。
ダイビングスポットは、海の状態や水温、海底の地形、海中生物の種類などによって異なります。
また、移動時間もスポットの場所によって大きく異なります。
そのため、ダイビングプランを立てる際には、スポットの場所や移動時間を考慮して調整する必要があります。
例えば、スポットの場所が遠く、移動時間が長い場合は、一日に複数のスポットを回ることが難しくなります。
そのため、一つのスポットで十分楽しめるような内容のプランを立てる必要があります。
また、スポットの場所が近い場合は、複数のスポットを回ることができるため、様々な海中生物を観察することができます。
さらに、天候や海の状態によっても、スポットの選択や移動時間の調整が必要になる場合があります。
例えば、波が高い場合や潮の流れが強い場合は、海中でのダイビングが困難になるため、適切なスポットを選択する必要があります。
ダイビングプランを立てる際には、スポットの選択や移動時間の調整を含め、様々な要素を考慮してバランスの取れたプランを立てることが重要です。
スムーズなダイビング旅行にするために
上記で説明したように、ダイビングのスポットを選ぶ際には様々な要素を考慮して選ぶ必要があります。
特に、飛行機に搭乗する日はダイビングをしてからどれくらい時間が経ったかを考えて計画を立てないといけません。
例えば、少し遠いポイントへ行き、連続ダイビングを行い、最終ダイビング時間が16時だったとします。
そうすると翌日にフライトをする場合、最低でも朝10時以降の便に乗らなければなりません。(連続ダイビングは18時間以上空ける必要があります。)
このようにポイントによっては終了時刻が遅くなったり、早朝で帰る場合は前日の最終ダイブ終了時刻を考慮しなければなりません。
減圧症のリスクを頭に入れて、ダイビングポイントを考えたり、飛行機の搭乗時刻を決めるとよりスムーズな旅行となるでしょう。
- プランを立てる際にはスポットの場所や移動時間を考慮する必要がある。
- 天候や海の状態によっても、スポットの選択や移動時間の調整が必要になる場合がある。
- 減圧症のリスクを考え、最終ダイブ終了時刻や飛行機の搭乗時刻を考慮したプランを立てることが必要である。
ダイビング後の飛行機搭乗についてのFAQ


ダイビングにおける飛行機搭乗についての質問をまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
ダイビング後すぐに飛行機に乗ることに関する法律や規定はあるのか
ダイビング後すぐに飛行機に乗ることについて、法律や規定があるかどうかは国や地域によって異なります。
例えば、PADIでは、潜水後18時間以内に飛行機に乗ることを推奨していませんが、法律で禁止されているわけではありません。
しかし、ダイビング後に飛行機に乗ることは減圧症を引き起こす可能性があるため、PADIや他のダイビング団体は潜水後12~18時間は現地に滞在することを推奨しています。
一方、海外のツアー会社によっては、24時間以上空けてから搭乗することを推奨している場合もあります。
ダイビング旅行では余裕を持ったスケジュールで潜ることが望ましいです。
到着直後のダイビングは大丈夫なの?
減圧症は体内に溜まった窒素が原因のため、到着直後のダイビングは問題ありません。
そのため、到着後すぐにダイビングツアーに参加してもOKです。
ただし、長時間のフライトの疲れや、寝不足などにより身体への負担も考えて参加することが望ましいです。
身体の疲れは船酔いや快適なダイビングの妨げとなる可能性もあるため、無理せずに余裕を持ったプランでダイビング旅行を楽しみましょう。


搭乗日に間違えてダイビングプランを予約してしまった!
ダイビングツアーへ参加する際、ダイビング後に搭乗予定があるかどうかのチェックが必ずあります。
少しくらい大丈夫だよね・・・と搭乗予定があるにも関わらず隠してダイビングに参加するのは絶対にダメです。
上記でも説明したように、減圧症という重篤な病気を発症するリスクがあります。
その場合はシュノーケリングのプランに変更できないか確認してみましょう。
ほとんどのショップであれば、シュノーケリングに変更することが大丈夫な場合が多いです。
シュノーケリングは初心者でも安心?魅力や覚えておくべき注意点を紹介!


まとめ
「ダイビング直後の飛行機搭乗は絶対NG?その疑問と理由について徹底解説」についてはいかがだったでしょうか。
ダイビング直後に飛行に乗ってはいけない、ということを知らない方も多かったのではないでしょうか?
少しくらいなら大丈夫なのでは・・・という考えでは、大変危険な行為だということを認識していただければ幸いです。
一生に一度の思い出となる旅行にするために、ダイビングツアーに参加する際はぜひ参考にしてみてくださいね。